2012年12月29日土曜日

エイミー・マリンズと12組の足


パラリンピック選手団を率いるエイミーマリンズ


 アメリカのある団体が『TED』というものを開催しています。そこでは世界をリードする科学者、企業家などがスピーチを行います。先日テレビで、エイミー・マリンズとうい一人の女性がスピーチしているのを見ました。

 彼女は生まれながらにして、先天性ひ骨欠損という病気で、一歳の時両足の膝から下を切断しました。しかし彼女は学生時代、陸上をはじめ、アメリカ代表としてパラリンピックに出場するまでになりました。その後、自らがメディアに出て行く事で、医療業界しか注目しなかった義足を、ファッションデザイナーに注目させ、現在も身体に障害を持つもののイメージを変え続けています。そして、現代も、アスリート、女優、モデルと様々な顔を持ち活動されています。

 そんな彼女が300人ほどの子供達の前で公演することがあったそうです。ステージに何種類もの義足を並べて公演を始めたそうです。すると、子供達は並んだ義足と彼女の履く義足に興味深々の様子だったそうです。その時先生は、『あんまりジロジロ見るのはやめなさい』と言いたげだったそうです。その後、彼女はすべての大人達に退席を求め、子供達に質問をしました。『2,3階の建物を飛び越えるとしたらどんな足がいいかな?動物でもヒーロー、キャラクターなんでもいいわよ』するとすぐに『カンガルー!』と声が上がりました。『カエル!』『Mrインクレディブル!』と次々と声が上がりました。『いっそ空を飛んじゃえば?』すると皆が『いいね!!』

 子供は知らないものには自然と興味を持ちます。なのに大人は子供に恐怖心を植え付け、好奇心を奪う。疑問を封じて行儀の良い子に育てる。私は義足だけど、私より人工的な体の女優さんも沢山いますよ。と笑って話す彼女。健常者より健常者らしい彼女を見て、自分自身が恥ずかしく思えたりもしました。今年度、教育に関しての記述を多く載せてきましたが、スピーチを聞いて、今求められる教育とは施すものではなく、与えられた情況の中で、強く願い努力する姿に何かを感じ、自らが機会を見つけて生かそうとする事こそが本当の教育に繋がる事を彼女から学んだ気がします。

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