2012年9月28日金曜日

課外授業~

先日、あるテレビ番組で一人の登山家が出演していました。彼の名は、登山家、栗城史多さん。母校の小学生達と北海道の標高1500Mの山に登っていました。小学生にとって1500Mの登山はきついのですが、彼はさらに仲間とロープでつなぎながら登るというルールを課しました。最初の30分は、元気に歩いていた子供達も、その後は口数も減り、遅れる子が出てきました。泣き出す子供が出てきました。そんな中で、いろいろな事があっても、子供達は助け合い、登山を続けて行きました。
 栗城さんは、遅い子も置き去りにせず、励まし、いたわりあう事が大切と話します。登山家は一人で高く、険しい山に一人で登るイメージがあるだろうが、そうではない。仲間の助けがあるから山頂に立てるんだ。仲間の事を考えるからこそ登りきることができると話します。

 とかく教育は与えるものであって、何を与えるか、どんな与え方をするのかを大人たちは議論します。勿論、なにも持たない無垢な子供達に正しい教育がなされる事は最も大切な事です。しかし、子供達が持っているものを引き出す事も忘れてはいけないと感じています。私のブログではよく登場する言葉ですが、『自分と向き合う事』が大切だと思います。そのために、子供達には様々な経験が必要だと思います。今のゆとり教育が子供達にそのような経験を与えてくれる事を切に願います。

2012年9月26日水曜日

本当の豊かな生活とは

『贅沢は敵』、『欲しがりません。勝つまでは』・・・昔から、我慢する事は日本人の美徳とされてきたように思います。しかし、豊かな社会を追い求め、人は現在に至ります。資本主義経済の中で、大量生産が可能になりましたが、同じものを大量に生産する事でモノの価値が下がりました。それを回避する為にモデルチェンジという発想が出来ました。今のモデルは以前のものより性能、デザインが良いと・・・そしてメディアを通じて人の購買意欲を無限に駆り立ててきました。その結果、私達は消費し続けなければならない社会に生きることになりました。
 
 社会主義学者、ジャン・ボードリアールが言うように、結局、豊かな生活をおくるには『必要ないものが必要』なのかも知れません。私達は必要と感じたものを選んで購入しているような感覚を持っていますが、それは実は、社会構造の変化に対応した、大量生産、大量消費、大量投棄とモデルチェンジというまやかしの中での消費行動に過ぎないのかもしれません。だからこそ今後、私達は、メディアに飾られたモノからの情報や意味を消費するのではなく、モノそのものを受け取り、大切に贅沢をしていく事によって、豊かな生活が実現できるのだと思います。

 私達青年会議所も『明るい豊かな社会の実現』を理念としています。全国に青年会議所が誕生した戦後と状況は違います。当時に比べれば、今はモノに溢れ豊かな社会なのかもしれません。しかしながら、今、私達は『明るく豊かな社会』にいるのでしょうか?情報やイメージによって幸せを見間違えてはいないだろうか?他国から押し付けられたイメージで日本を見ていないだろうか?
 私達の求める本当の豊かさ、それは私達の頭の中にこそ存在するのかもしれません。

 

2012年9月24日月曜日

体幹と自分軸

 最近スポーツ選手の体の使い方が科学的に解明されてきています。その中で『体幹』という言葉をよく耳にします。これは、読んで字のごとく体の幹、いわゆる軸といわれる意味です。体に軸を作る事で、様々な効果が出てきます。人は縦、横、斜めと様々動きができると思いがちですが、基本的には、縦、横の動きを複合的に行う事でしか斜めの動きができないのです。だからこそ、人は体の軸ともいえる体幹が非常に重要なのです。すべてのスポーツに共通して言える事ですが、運動ができるというのは、どれだけ自分の体を自在に操る事ができるかという事に尽きるでしょう。そして一流と言われるアスリートは、更により高く、より早くを求め、より多くの筋肉を使い、自分独自のフォームや手法で、パフォーマンスをあげていきます。

 先程の体幹ですが、具体的に言えば、腰まわり、そして骨盤付近の筋肉がすべてにおいて重要だと言う事がわかってきています。例えば、ボールを速く投げるには、腕だけでなく、腰(仙骨を入れる感覚)を使い、体にタメを作り軸をぶらせずに一気に力を伝える。速く走る事においても、骨盤周りの筋肉を使い、大きく稼動域を取り、一歩一歩のストライドを広げる。人は体の軸を中心に、力を溜めたり、解放したりする事で、大きな力を発揮する事が出来るのです。

 このことはスポーツ以外でも言えるのではないでしょうか。何かを行う時には、様々な外的要因に影響されます。しかしながら、自分が思うがしっかりしてなければ、何かを行う時にパフォーマンスが落ちてしまいます。更に、人に正確に伝わらなくなってしまいます。スキルが重要視されている現代社会ですが、自分軸は最も大切な部分だと感じます。私も、まだまだ軸が出来ていない状況ではありますが、自分と向き合う中で少しずつ自分軸を作って行きたいと思います。

2012年9月21日金曜日

第9回安来どじょう祭り

9月17日開催予定でありました『第9回安来どじょう祭り』は台風16号による影響を考慮して中止とさせていただきました。協賛頂いた企業の皆様や前日まで準備をしてくれたメンバーには大変申し訳なく思います。そして今回中止を決定した後、皆様より多数のお問い合わせを頂きました。改めて『安来どじょう祭り』を楽しみにされている方々に支えられている事に気付かされました。
 次年度以降、皆様の期待に答えられるようメンバー一同邁進していく所存であります。今後とも『安来どじょう祭り』にご理解ご協力の程宜しくお願い致します。

2012年9月14日金曜日

AKB48経済学?


 AKB48は秋葉原AKB劇場を中心に活動し、会いに行けるアイドルとして誕生しました。AKBプロジェクトは、メディアを通じてしかない遠い存在であったアイドルを身近に感じ、ファンと共に成長していくプロジェクトです。

 過去のアイドルと言えばある程度、事務所が育成して歌も踊りも出来る状態にしてから売り込んでいったと思います。AKBに関しては、言わば『未完成を売りにしている』部分があると思います。オーディションで選ばれたメンバーと言えど、素人同然で、歌やダンスはおろか、スキップすら出来ないメンバーもいたそうです。

 そんな子達が、なぜ僅か数年で育っていき、俳優、声優、バラエティーと各方面で活躍していけるのかと不思議に思っていました。プロデューサーの秋元康氏はインタビューでも、常にファンから育てられている事を話しています。AKB、SKE、NMB、HKTなど、200人余りのメンバーがそれぞれが書くブログも事務所は、一切チェックしないそうです。英語のスペルが違う、漢字が違う、文章がおかしいなどは、すべてファンが書き込みで指摘するそうです。自分が応援する押しメン(押しているメンバー)を成長させたいからこそ、ファンがプロデュースしているのです。未完成であるからこそ、ファンはリアルさを感じ、AKBドキュメントに参加しているのです。

 昨今のスピード化社会等で人間関係は希薄なものになっているのかもしれません。でも人はやはり繋がって居たいし、繋がっていなければならないとも思います。SNSやニコニコ動画といった双方向メディアが注目される中で、メディアだけでなく私達の意識にも変化が起きているのではないでしょうか。だからこそ、AKBのようにすべてがプロデュースされたの範囲内ではなく、人が参加する事によって、可能性が生まれたり、多様化したりするのではないでしょうか?

 私達、青年も『未完成』である事は間違いないと思います。だからこそ、理想を求めつつも挑戦し、タブーを作らず、人との繋がり方にこだわる事が必要なのだと感じます。

 

2012年9月5日水曜日

討論型教育

 世界的に教育改革が議論される中、最近アメリカ、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の討論型講義が注目を集めています。これは、ディベートの一つ、対話法を活用した講義で、通常の受け身の講義と違い、参加者に疑問を投げかけ、参加者自らが手を上げ意見を述べるものです。正解のある問題を解く事しか教えない日本の教育手法とは明らかに違いがあります。

 日本にも様々な問題があります。原発、領土領海などなど、それぞれの問題に絶対的正解は存在しないものです。おそらく、何かを選択する中で、何らかのリスクを負わなければならいでしょう。それには、覚悟が必要だと思います。覚悟を持つ為には、人に流される選択ではなく、自らが決めたものでなくてはなりません。自らが決めたものを持つ為には、問題と向き合わなければなりません。そういった意味において、討論型教育は、自らが問題と向き合う時間を与えてくれる貴重なキッカケなのではないでしょうか。

 アメリカだけが特別なことをしてきた訳ではありません。江戸末期の日本にも討論型教育は存在していました。長州藩、吉田松陰が開いた松下村塾はその魁といった場所でした。そして、武士や町民といった身分の分け隔てなく塾生を受け入れ、史記、論語、読み書き、時局討論など幅広い教育を施したと言われています。門下生には、明治政府を担う事になる伊藤博文や、江戸幕府倒壊を決定づけた高杉晋作、坂本龍馬や中岡慎太郎、西郷隆盛なども幕末の志士達に多大な影響を与えた、久坂玄瑞などがおり、彼らの原点がここにあります。
 
 最近になって早稲田大学をはじめとする教育機関が討論型教育を採用していますが、私達の所属する青年会議所はもっと以前から討論型の会議を行っています。絶対的な答えの無い社会問題などに対して、メンバーで様々に議論していきます。それは、決められた事をこなすだけでなく、時代を見据え、様々な問題と向き合い、自らが判断し、行っていく、列記とした討論型教育なのではないでしょうか。そして、それは全国で701それぞれのLOM(青年会議所の最小単位)で有益な活動を行う為に日本全国に701のリーダーが存在しているのだと強く感じます。

 国内外問わず、今後様々に変化していく環境の中で、私達は問題と向き合い、自分で悩み、答えを探しながら何かを選択していく、そんなことが求められていく時代なのではないでしょうか。