2012年8月22日水曜日

認め合う存在

 21日、内戦状態が続くシリアを取材していた日本人ジャーナリスト山本美香さんが、政府軍と反体制派による戦闘に巻き込まれて死亡したニュースを見ました。彼女は生前、様々な紛争地域で取材をし、戦争の悲惨さを自らの著書や報道で人々に伝えようとしていました。
 
 我々日本人は普段あまり意識していませんが、今も世界のどこかで争いが起こっているのは事実です。その原因は民族間の価値観であったり、宗教的な思想の違いであったり様々だと思います。日本国憲法にも国民の権利として、個人としての尊重、宗教の自由などが保障されているが、このことから来る価値観の違いが現在の世界の紛争や戦争の大きな原因であることもまた事実なのです。
 
 私達が、他の人と議論を交わす時、他人との違いを感じます。当然だと思います。わたしとあなたは違う人間なのです。しかし、自分だけが正しいとは限りません。そして相手だけが正しいとも限らないのです。だから、人は互いに認め合う存在でなければならないと思います。

 日本青年会議所が世界で正式に承認された1951年の第6回JCI世界会議の開会式においてJCI会頭ラモン・ロザリオ氏は演説の冒頭で『JCには国境も民族もない。それは、全世界の青年のものである。その誇りにおいて、われわれはいまここに、かつての敵国日本のJC代表団を、心からなる歓迎をもって迎えようとする』と話されました。

 認めぬ者同士が際限なく争う世界が戦争であるならば、認める者同士が切磋琢磨できる世界、それが青年会議所であって欲しいそう思っています。

2012年8月20日月曜日

それぞれの価値観

理事会、例会時に唱和するJCIクリード、皆さんはどのように感じていますでしょうか?

 先日の島根ブロックの新入会員を対象とした研修の中で、VMVセミナーを一緒に受講させて頂きました。その中で、トレーナーから『JCIクリードはJAYCEE共通の価値観である』との説明を受け、考える機会を頂きました。

 JCIクリードを策定した、ウイリアム・ブラウンフィールド氏は『JCIクリードはすべてのセンテンスにおいて、その理解に正誤はありません。あなたの理解のすべてが正解なのです』という言葉を残しています。
 基本、クリードはJCIの価値観を共有するものなのかもしれません。しかしながら、それを理解したうえで、更に大切なのは、自分と向き合って、自分自身の価値観であったり、軸であったりをしっかりと考える事こそが求められている気がします。無論、これも私が思うJCの価値観に他ならないのかもしれません。だからこそ、クリードを唱和する際、それぞれのメンバーが自分自身で考え、自分の答えを探し続けて欲しいと思います。

That earth`s great treasure lies in human personality 人間の個性はこの世の至宝である

 セミナーの中でこんな言葉がありました。『忘れないでほしい。あなたが望む望まないに関わらずあなたの世界は変化します。しかし、あなたは進むべき方向を選ぶ力を持っているのです』
 今後、青年会議所活動を通じてそれぞれのメンバーが、前を向いて何かを得る事を願っています。

2012年8月16日木曜日

日本人のメンタル

昨日は男子サッカー3位決定戦でした。試合開始前に、韓国の李明博大統領、竹島上陸の影響があったのか、やはり日韓戦は独特の雰囲気になりました。

 試合開始直後、韓国はこれでもかというイエローカードも厭わない激しいプレー(ほとんどラフプレー)で前線からプレスをかけてきました。その激しいあたりの影響で日本チームは攻撃の際、プレスを嫌がり、韓国選手が近づいてくる前に、あわててボールをまわしてしまいました。その為、日本の中盤でパスを繋いでゴールを奪うサッカーが出来なかったと思います。
 しかし、後半に入って韓国は前半のラフプレーは影を潜めました。前半同様、あたりを嫌がり日本のサッカーできませんでした。結果、2-0という結果で試合は終了しました。
 
 試合後、選手のインタビューで、『あんな蹴ってくるだけのチームに負けて悔しい』などの声があったが、負けた原因は果たしてそれだけだろうか?韓国代表のホン・ミョンボ監督は現役時代、日本の柏レイソルでプレーし、日本人をよく知る人物です。試合前にも『日本特有のプレーを阻止する事に気を使った』と話している。日本人の押されると弱い、メンタルを突く為、前半のラフプレーで日本の良さを消しにいった戦略だったのではないかと思います。

 アジアでも日本を表した言葉で、『押せば引く国』だとか『柔らかい土は深く掘られる』などがありますが、スポーツの世界でまでも、日本人の特性を逆手に取った戦略をとられているのではないかと不安を感じます。

2012年8月10日金曜日

商業オリンピックと今後

女子サッカーは惜しくも金メダルまであと一歩でした。試合直後の選手の涙と表彰式の笑顔がとても意味深く感じました。そしてメディアは、昨日の『なでしこJAPAN』を何度も何度も取り上げています。
 
 そんな中、女子テコンドー3位決定戦で敗れた一人の日本人選手の小さな記事がありました。濱田真由選手18歳。彼女は、佐賀県の小さな町に生まれ、その町から世界を目指した選手でした。彼女は日本人離れした長い手足と、柔らかい体を武器に頭角をあらわしてきました。韓国実業団などからも誘われるほどの才能の持ち主でしたが、金銭面の厳しさから、ふるさとからオリンピックを目指す事を決めました。全国大会で知り合った現コーチ古賀剛さんとの出会い、そして元レスリングオリンピック選手が社長を務めるベストアメニティーへの就職。佐賀県の小さな町に、オリンピックを目指す環境を作り、地域の人達に支えられ、彼女は18歳の初のオリンピックで世界5位という成績をあげました。

 オリンピック競技の中で、サッカーやバレーなどのメジャー競技は商業的基盤が整っている為、選手育成であったりに必要な資金集めが容易だと感じます。しかしながら、マイナー競技に関しては、スポンサーはつきにくく、練習道具購入さえままならない状況があります。ロサンゼルスオリンピック以降、商業化とプロ化の一途をたどってきたオリンピック競技は多くのお金を必要としてきました。しかし、今後、国策としてメダルにお金をかけない流れが加速していく中で、夢や青少年教育の為、濱田選手のように地域で選手を支える考え方も必要となっていくのではないかと感じています。今後、ロンドンからリオへ続くスポーツの道は果たしてどこへ向かっていくのでしょうか?

2012年8月9日木曜日

サムライサウスポー

ロンドンオリンピック開催の最中、日本人選手の姿に心打たれる毎日を過ごしております。

 先日、ロンドンオリンピック、バドミントン男子シングルス準々決勝に日本人で初めて佐々木翔選手が挑戦しました。相手は中国の林丹(リンタン)。前回の北京オリンピック金メダリストにして、世界ランキング一位の絶対王者。日本人はバドミントンでは世界と戦えないと言われ続けてきた中で、世界への扉に手をかけた瞬間だったと思います。彼自身も、『自分は世界ランキング6位だけれども、世界のバトミントン事情は、4位までの選手がいつもトップを争っている。皆、上の選手しか見えていない』と話しています。だからこそ、今回のロンドンは世界ランキング1位の林丹を倒す為の、彼の挑戦の舞台だったのだと思います。

 試合は一身一体の攻防。初速で時速400kmを超えるスマッシュを互いに打ち合い、拾い、壮絶な熱戦がフルセットまで続きました。そして最終セット、佐々木選手の打ったシャトルがラインオーバーして試合は終了しました。見ている私も涙が出てきました。さぞ悔しいだろうと思っていましたが、試合後のインタビューで彼は意外な言葉を口にしました。『楽しかった!彼ともっと打ちあっていたかった』これが、バトミントンと常に向き合い、ストイックなまでの練習をしてきたからたどり着く境地なのかと感じました。

 新聞、メディアはメダルの数を中心に報道しますが、選手達には様々なドラマがあり、その中で成長し、様々な思いでロンドンの地に立っているのは紛れも無い一人一人の人間なのです。このような試合を見ていく上で、それぞれの選手にはメダル以上の輝きがあると感じます。私達も普段の生活の中で、何かと真剣に向き合う事で、それぞれが輝ける存在になれるのではないでしょうか。

大和なでしこの花

『撫でし子』は万葉集、枕草子にも使われ、秋をあらわす季語であり、花言葉は純愛、無邪気、才能、大胆。まさに日本を世界に示す為に名づけられたような『なでしこJAPAN』。

 いよいよ明日、午前3時ロンドン、近代サッカー発祥の地ウエンブリースタジアムでアメリカとの決勝を迎えます。この歴史的な決勝戦を前に、フランスとの激戦がありました。ボール支配率とシュート本数で圧倒的に上回るフランスは、想定していた磐石の試合運びだったと思います。しかしながら、日本が2-1で勝利した、その背景には、戦術を超えた何かがあったのではないかと思います。
 
 試合前、宮間キャプテンは円陣の中で、『ここにいない大切な人の為、互いの為に戦おう』と話しました。佐々木監督も選手も涙をこらえてピッチに向かったそうです。近代スポーツはID野球、データバレーなどに代表されるように、戦術ばかりがクローズアップされがちですが、戦術を超えた大切なものを感じさせてくれる、それが『なでしこJAPAN』なのではないでしょうか。合理主義、計算、そんなものが霞んで見えるほどすばらしい戦いでした。
 
 いよいよ決勝戦、ウエンブリースタジアムで日本が誇る可憐な大和なでしこの花が咲き誇る姿を見届けたいと思います。頑張れ!なでしこJAPAN!!

2012年8月1日水曜日

議会制民主主義とマニフェスト

最近の国会などを見ていると、議会制民主主義って何なんだろうと疑問を感じます。衆議院、参議院共に私達、国民が選挙によって決めた人達ではありますが、その人達を取り巻く環境が様々に影響し、国家の最も大切な事柄が知らない間に決まっていきます。選挙の中で、有権者と約束したマニフェストなども守られない事も多くあります。こういった点においては、選挙で私達は何を見て誰に投票すべきなのでしょうか?
 今年10月、候補者が二名以上あれば、市長選挙が行われます。 国政が議員内閣制で党首を決める一方、地方自治体は市民自らが首長を決める権利をもちます。その中で、候補者は理念、それを実現する為のマニフェストを掲げます。これを見て、聴いて、私達が自らの権利と責任において一票を投じる事が出来ます。そして、選挙の当選者が地域の舵取りをしていきます。しかしながら、投票率は全有権者数の6割程です。しかも、年代別の投票数から見れば、圧倒的に若者世代が少ないというのが現実です。私達青年会議所が40歳以下の団体であるならば同世代や若い世代に伝える事が私達に課せられた担いであると強く感じます。